2023
08
2023年度 夏季 「高校生グローバルスクール」
- 日 時
- 2023年8月10日（木）〜11日（金・祝）
- 会 場
- 多摩永山情報教育センター 、電気通信大学
2023年8月10日(木)・8月11日(金・祝)に2023年度 夏季「高校生グローバルスクール」を実施しました。今年度は、多摩永山情報教育センターと電気通信大学を会場に、十分な感染対策をして対面実施しました。
「世界の中で格差を解消するためには」をテーマに、三大学それぞれの講師による講義や演習を経て、グループごとに ディスカッションをして課題の解決方法の探求に取り組みました。
１日目
開会式・オリエンテーション
アイスブレイク
東京農工大学プログラム
地球規模の海洋環境保全
東京農工大学大学院 農学研究院 物質循環環境科学部門
大地 まどか 准教授
近年、地球規模で様々な環境問題が発生しています。特に、地球表面の約70%を占める海洋において、人工化学物質による汚染が世界的に問題になっています。人間活動によって主に陸域で使用された人工化学物質は、最終的に海洋に到達します。海洋には、陸域と同様に豊かな生態系が形成されています。人工化学物質は、その海洋生態系に深刻な影響を及ぼしていることが、様々なアプローチの研究により明らかになってきました。この講義では、地球・海洋のしくみを理解するとともに、人工化学物質による海洋汚染の実態と、それらの物質が海洋生態系へ及ぼす影響について学び、地球規模の海洋環境保全に向けてどうすればよいのかについて議論しました。
東京外国語大学プログラム
ジェンダー格差の何が問題か -身近なところからグローバル社会まで
東京外国語大学 世総合国際学研究院
小田原 琳 教授
SDGsの17の目標のひとつに「ジェンダー平等を実現しよう」と掲げられているように、世界に広がるさまざまな格差のひとつとして、ジェンダー格差が注目されています。この講義では、家事労働という私たちにとって必要不可欠な仕事を出発点として、「有償労働」と「無償労働」の区分や、それを担う人の偏りが生まれた歴史をたどり、ジェンダー平等がすべての人の幸福につながる理由と、その達成のためにいま、私たちができることを考えました。
電気通信大学プログラム
デジタル技術が支える保健医療 ～大学での研究から医療機器の実用化まで～
電気通信大学 国際社会実装センター
石垣 陽 特任教授
世界初のスマホ接続型線量計「ポケットガイガー」、三密を可視化する「ポケットCO2センサー」、オープンソースの高性能マスク「オリマスク」、小児弱視を治療するための視能訓練装置「オクルパッド」など、実際に石垣先生が手がけられた社会実装プロジェクトを紹介していただきました。また、日常生活で得られる「気づき」から社会のニーズを掴み、試作や設計、プロトタイピングを経て実現可能なカタチを見極め、製品として社会実装するまでについて、先生の実体験からのお話を聞きながら、デザインと工学の融合、ソーシャルメディアの活用、オープンイノベーションやリバースイノベーションによるSDGsへの具体的な貢献事例について学びました。
レクリエーションプログラム
大学生ファシリテーターの進行でゲームを楽しみながら、
親睦を深めました
2日目
グループ別ディスカッション
２日目は、ファシリテーター（３大学の学生・大学院生による学習ナビゲーター）のサポートでグループごとに「世界の中で格差を解消するために」について、ディスカッションをしました。
グループ別プレゼンテーション
ディスカッションした内容をまとめて、プレゼンテーションしました。それぞれのグループで話し合った内容を全員で共有し、他のグループからの質問も交えて、ここでも活発に議論がされました。
東京都／高校1年生 男子
持続可能な開発目標を考える上で、三大学の全く異なった視点の研究を聞き、仲間とたくさんのディスカッションができて、自分の考え方の幅が広がり成長を感じる事ができました。2日間という限られた時間で素晴らしいプレゼンテーションができたのは、将来にとって大きな自信になりました。
長崎県／高校2年生 女子
文系・理系と、様々な分野に関連した方が参加していたので、今までそんなに興味のなかった事も、色々な意見を聞いているうちにもっと知りたいと思うようになり、視野が広がっていきました。発表のときに自分の意見を主張することや、他の人の意見を絡めた考え方ができたのは、自信にも繋がりました。
学生ファシリテーター(東京外国語大学)
世界の事象とかに関心があるという今の気持ちをそのまま持ち続けて、知の探究を怠らずに続けていってほしいと思います。実践的な訓練の機会になると思うのでぜひ参加してほしいなと思います。
学生ファシリテーター(東京農工大学)
普段、関わることのない人と関わることができるグローバルスクールなので、自分の視野を広げることができる場だと思います。三大学の特徴を生かした講義を聴くことができるので、大学で自分がどのようなことを学びたいのかを考えるよい機会になると思います。
学生ファシリテーター(東京農工大学)
高校生グローバルスクールに参加する中で、高校では当たり前だと思っていたことが実は当たり前ではなかったということに気づいてきたりするので、そういう情報を積極的に交換してさらに学びを深める機会にしてもらえたらいいな、と思います。
学生ファシリテーター(電気通信大学)
緊張するとは思いますが、受け身にならずにほかの高校生と積極的に交流することで意見交換や議論をしてほしいと思います。そうすることで、多様な価値観や考え方を吸収して今後の学生生活に活かしていけるのではないかと思います。
※学年は参加当時のものです